電車の中でゲームをしている人と、僕は大差ない。ただただひたすら、スーツチェックをしているのだから。

 

60歳くらい。短い白髪に深く被った帽子は、深めの緑。ブラウンのシングルジャケットはパッチポケット(当然)フラップなしで2つボタン。4cmのダブルの処理をした紺のスラックス。緑のチェックボタンダウンシャツで第1ボタンのみ開ける。当然長袖。Uチップ外羽根の黒い革靴はちゃんと鈍く光る。秀逸なのは、濃い緑の靴下で、ハットとリンクされている。Apple watchをして、iPhoneは黒。でも、本を読む姿は紙媒体。

 

同じく60歳くらい。頭が薄いけれど、小綺麗にされている。シングル2つボタンの金ボタンのブレザー、薄いグレーのダブルの処理をしたスラックス。黒のタッセル(グッドイヤー)に対して、ちゃんとスラックスよりも濃いグレーのホーズまでは問題なし。ただ、、、、

白シャツはカッタウェイ、ポケットありで第2ボタンまで開ける。本切羽の4つのボタンのうち1つを外して、指には3つのごつい指輪。iPhoneにはなんだかシルバーのケースでギラギラ。Daniel Wellingtonの時計は蛇足。そして、気がついてしまったのはスラックスのダブルの処理が糸ではなく、スナップ。

 

後者が20代とか30代前半なら、かっこいいんだと思う。ある程度の年齢行って、今時な格好しているひとは、確かに何もしないよりはいいけれど、なんだか、マーケティングに踊らされた人のよう。結局そこに、「時間」を感じてしまう。たとえ、「時間を感じた」としても、それは前者のように携帯とかそういう部分がいい。(Apple Watchよりは、別の時計をはめてほしかった。)

Fashionableさで言えば、後者に軍配が上がる。ただ、年齢や色調を考えたStylishさで言えば、前者が勝つわけで、僕たちおっさんが目指すのは、たぶん、Fashionableではなく、Stylish。よって、「お洒落」なんて言われるのは心外で、あわよくば「洗練されていますね」と言われるとしばらく有頂天になる。

 

書き終わって、大学卒業当時の田中さんの文体を再構築するのは簡単ではないと気がつく。

 

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