自分の顔写真を何枚も見るのは苦痛だ。

それをこうしてウェブ上にアップするのもうんざりする。ただ、やはり読者(含め、日本のスーツ男子)の着こなしが少しでも良くなればいいと常に考えているし、それはたぶん今後もずっと変わらないから。

ここでは、2019年4月27日に出版された『世界で闘うためのスーツ戦略』(星海社出版)の「第4章【実践編】僕の普段の組み合わせ」で用いた写真をカラーで紹介する。書籍は白黒であったため、わかりにくい箇所もあったと思う。お詫びを差し上げるとともに、こちらの写真と解説を役立てていただきたい。

 

  1. ベーシックなスーツスタイル(日本)

 

シワの良し悪し:スーツスタイルにおいて、基本的にシワがあることは好ましくないという一方で、陰影がついたほうが良い場所もある。今一度確認されたい。

(Not Good)

書籍でも言い訳を述べているが、スーツの二の腕にはシワが多く入っている。これは既成品に対して、二の腕が細すぎるから生まれてしまっている。

(Good)

ネクタイのノットは少し上を向かせて立体感をもたせることができている。これはいい。ディンプルも入っている。

 

 

  1. ベーシックなスタイル(海外)

 

書籍では、白黒であるため白のシャツ・サックスブルーのシャツの色の違いが分かりにくかった。1の白シャツはいかにも真面目にしていましたという感じが出ていて、個人的にはあまり好きにはなれない。日本であれば仕方なく白を着る機会が多くなるのだけれど、基本的にシャツはサックスブルーが多い。近い写真を見ればわかるが、着用しているスーツは濃紺に青のストライプ。シャツはやはりサックスブルーのほうが馴染むと思うのだが。

セミワイドスプレッドの襟型なのは、書籍の通りだが、このように見ればわかるように、ゴージライン(ジャケットの上襟と下襟の接合部分)とシャツの襟が並行になっていることが分かると思う。これも首元をきれいに魅せるテクニック。この意味でも、シャツの襟型は一つに決めてしまっておいたほうが、合理的だと言える。

  1. 夏のジャケパン

ボタンダウンのシャツ。その理由は書籍で述べた通り。基本的にはセミワイドスプレッドのシャツがいいと思うし、わざわざボタンダウンのシャツを用いる理由はない。

でも、意図せずボタンダウンのシャツを買ってしまったとか、まだ手元に真新しいボタンダウンのシャツをたくさん持っているという方もいると思う。そういう方のために、一つ提案を。

スーツを着るときには、ボタンをしない、という選択。

そうすれば襟はセミワイドスプレッドとほぼ同じ開きになる。襟先がボタンでとめられない分、少し長くなりジャケットの内側に収まる可能性も高くなる。別にボタンをいつもちゃんと留めることだけだけが正解でない。スーツでボタンダウンを着ていて、ボタンをしていなければどう判断するか。僕だったらこう解釈する。

あ、この人はスーツにボタンダウンは良くないということを知っている(ルールを知っている)。その上で、涼しげに見せるためにオックスフォードの生地のシャツを選択している(周囲への配慮もある)のかな。

たかがボタンを外すだけで、このような暗示を示せる。やらない手はないと思うのだが。

 

  1. 冬のスーツ

ジャケット後ろの切れ目はやはりサイドベンツが好き。書籍では、どちらでも好みによるという書き方をしているし、その考えが変わるわけではないので、センターベントもありだ。ただ、特にスリーピースならサイドベンツの安定感がしっくり来る。センターベントはスポーティーなんだけれど、スリーピースというより、ベストなしでさらっと着るときがいいのかな。

もっと言うならば、ジャケパンでというような。

もっと狭めるならば、土日でジャケットを着なければならないシチュエーションでタイをしないというようなリラックスした雰囲気で着たい。

スリーピースでネクタイも締めていて、かっこいいなと想いつつすれ違い、後ろを確認したらセンターベントだったというのはよくある話。あまり好きにはなれない。

 

 

 

  1. 冬のジャケパン 1

写真ではわかりにくいが、シャツはオックスフォードのラウンドカラー。合わせているのは、ドット(丸)のタイ。また、4.冬のスーツで取り上げたジャケットなので、黒のパッチ(丸)がついている。靴も写真だとわかりにくいが、フルブローグ(ウィングチップ)でメダリオン(装飾)もついている。

つまり、あらゆる部分を曲線(丸)で構成している(誰にも突っ込まれたことはない)。ここで、靴下をドット柄にするなんていうのは、誰もが考えつくことなんだろうけれど、そういう分かりやすいもの(柄自体)よりも、わかりにくいもの(形)でリンクさせるというのは使える手かなと僕は思っている。

 

 

 

 

  1. 冬のジャケパン 2

ズボンの裾はノーブレイク、もしくはハーフブレイクを書籍で勧めた。よく言われるように、ワンブレイクで裾を調整すると、このようなチャッカブーツを履いた時に、裾がたわみすぎる。結果として、ズボンを変えるか、靴を変える必要が生まれる。

チャッカブーツを考えれば、やはりジャケパンで用いるズボンはノーブレイクで仕上げるほうがいい。ノーブレイクだと通常の靴を履けば、若干靴下が見えてしまう。たしかに好ましいことではない。ただ、チャッカブーツの選択を消すのももったいない。

ワンブレイクとして、絶対に靴下が見えない姿を創る。そのかわり、チャッカブーツが履けない選択肢。ノーブレイクとして、靴下が見えてしまう可能性が生まれる。そのかわりチャッカブーツがハマる選択肢。

僕は後者を選んでいる。

 

 

  1. カジュアルダウン

 

茶のタイはフォーマルでもカジュアルでも使える。もっとも、フォーマル度が高いシチュエーションでは良くないだろう。茶というのは、カントリーサイドの色だから。とは言え、紺のスーツにもハマるし、僕が創っているようなカジュアルダウンでも嫌味がない。

また、茶を選ぶときのコツとしては、凹凸のあるものを選びたい。茶自体がカジュアルダウンに近づくのだし、そのようなコーディネートをするのが前提なのであればなおさら。高い番手で繊細な糸を用いたアイテムを選ぶと、なんだかちぐはぐになってしまう。

このコーディネートでは、ネクタイはシルクだけれど織柄がはっきりと見える。シルクだが、光沢のあるシルクではない。

ベストはコーデュロイ(コットン)で視覚的にも凹凸があるのは明確。

最後に靴はスエードのチャッカブーツ。

いずれも凹凸がある。当然、買う前に意図している。

 

PDCAサイクルはビジネスをすれば良く聞くけれど、スーツに対してPDCAを実戦する人ってそういないように思う。ちゃんとP(計画)しないと、D(実践)はお粗末になると目に見えている。

少しでもお役に立てますように☆夜中未明の時間ではないと、恥ずかしくてできない作業でした。

書籍は都内では4月25日から並び、AmazonなどのECサイトでは27日から順次到着となります。

This article has 2 comments

  1. 井本さん

    こんにちは。初めてコメントします。
    『教養としての〜』を折りに触れて読み返している会社員(44)です。
    今更ながら当ブログに辿り着き、御挨拶をする次第です。

    同書における井本さんの主張に9割以上賛成です。
    背広関係で私がここまで賛同する情報発信はこれまでなかったように思えます。練習問題の写真もカッコいいですね。

    背広スタイルについては、私も試行錯誤の結果、「シンプル・オーソドックス」を心がけてきました。
    また、背広に頓着しない周囲の男に密かに不満を覚えておりました。
    井本さんの啓蒙で、少しでもカッコよくなる男が増えると良いですね。ありがとうございます。

    返信
    • ケンさん

      温かいお言葉、ありがとうございます。何よりコメントいただけること、とても嬉しいことです。

      出版当時は興奮と完成の喜びで自身の表現や書きぶりにそれほど注意を払えていませんでしたが、時間が経つにつれ、やはり自身の未熟さが目立つためあまり読み返すことができません(苦笑)。同様に、Amazon等の自身の評価も良いものもあれば悪いものもあるとは理解はするものの、なかなか改めて見返そうと思える機会は勇気のなさから少ないものです。

      そのような中でしたが、ポジティブなコメントをこうして直接いただけ、「あぁ、やはり書いてよかった」そう素直に思えます。色々と寛容に受け止めてくださった上での「9割以上」であるとは感じますが、若干ながら先輩(私は現在40歳)の方からのご意見であることも、自信になる一因です。
      私もやはり「背広を丁寧に着た男性ってかっこいいのにな」と満員電車の中で残念に感じることが多いです。ただ、ケンさんのようなオーソドックスでシンプル、清潔な装いをされている方を見かけると嬉しくなってしまうし、自分もそうありたいと思いますし、まだ洗練できるだろうなとも振り返れます。長くなっちゃいました。感情が高ぶったゆえ、冗漫な文章になってしまいました。申し訳ありません。

      重ね重ねではありますが、本当にありがとうございました。
      井本

      返信

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