【エッセイ】ブレイシーズ(サスペンダー)の欠点

イギリス英語だとブレイシーズ。僕らに馴染みがあるのは、アメリカ英語のサスペンダー。ベルトと比較すると、クラッシックな装いになる(と言ってもブレイシーズ自体は見えないけれど)。

 

目につくところで言えば、スリーピースを着た時に、ふとウェストコートの下から覗くベルトのバックル。ベルトをなくしてしまえば、当然見えなくなる。

ブレイシーズの利点はこれだけにとどまらない。

まず、美的な観点。

ズボンのウェストが若干大きなとき、ベルトによって腰回りの生地がヨレる。吊るせば、その心配もなくなる。タック(プリーツ)はキレイに見える。ベルトを通す部分も不要なため、それらを取ってしまえば、腰回りもスッキリする。

次に楽しみの観点。

基本的に誰にも見せない(ウェストコートを着て、さらにジャケットも着たままということを前提としている)が、ブレイシーズの色や柄は楽しみの1つ。ネクタイと合わせるのは野暮だとしても、シャツの色に合わせるのも1つ。チーフの色と合わせてもいいし、ちょっと遊びという意味で靴下と合わせても楽しいかもしれない。誰にもわからない、いわば下着のような遊び方ができる。

最後に耐久性。

ベルトそれ自体は大抵の場合牛革で、日々汗と圧力が掛っている。これは経験ベースだけれど、手入れをこまめにしても3年程度(コードバンなら、もう少しもつかもしれない)でひび割れを起こすように思う(つまり、捨てる時期)。その点、ブレイシーズが痛む理由はあまり多くない。タブ式の場合、ズボンとの接合部が革だけれど、ここは手入れはするものの、極論そもそも見せることを意図していないため、ひび割れても気が付かない(とはいうものの、手入れはする)。まだブレイシーズ1年生なため、3年以上もつのか、劣化がどうなるかはなんとも言えないけれど、ベルトよりも持ちそうだな、というのが感触。

 

で、本題のブレイシーズの欠点。

こんなことは、雑誌で特集されるわけもなければ、書籍に書いてあるわけでもない。ただ、常にメリットとデメリットを把握しておくほうが、賢明な買い手に近づけるわけで、実際の不便さも事前に知っておくべきだと思う。

 

2つの欠点がある。

1つは、ズボンとブレイシーズを付ける手間。

ベルトの場合、ベルトループに通すだけで完了する。これは、小学生くらいから行っていることの1つで、もはや習慣レベル。対して、ブレイシーズは前左右4つ、後ろ(腰)2つのボタンで固定する。慣れるまでは、幾分時間が掛ってしまう。

 

もう1つは、おトイレのとき。

トイレのドアにフックがあるというのは、何もコートをかけるためだけにあるわけではないのだと、洋式の個室に入った時に、初めて気がつく。あ、このままでは何もできないのだと。

したがって、コートに加え、ジャケット、ウェストコートまで脱ぐ必要が生じる。どうしても、この3つをかける場所が必要なわけで、一定のトイレの設備を必要とする。

これは考えれば分かるけれど、購入時にはそこまで考えていないわけで、2018年10月以降にブレイシーズに変えてみて気がついたこと。いかんせん、面倒。人が並んでいたりすると、余計に時間がかかるため、少し気が引ける。

とはいえ、ポジティブかつ楽観的に考えれば、常に「キレイで設備の整ったトイレはどこか?」を考えるわけで、大抵の駅のトイレは覚える。これは、女性と一緒にいれば役に立つ知識の1つだろ、なんていい風に考えたりする。

そして、コート、ジャケット、ウェストコートを脱ぎ、そして、それらを着る時間。「あぁ、大人になったなぁ」なんて、狭い個室で感じたりもするわけで、別に悪い気はしないし、いやな時間でもない。ホテルのトイレが広いのは、これが理由か?なんて勘ぐったりもする。

 

さて、ということで、結果で言えば、別にベルトがハズレだったりルール違反であったりするわけでもない。たぶん、ここに上げた不便さという理由から、ベルトのほうが広く普及しているのかなと思ったりもする。

どっちを選ぶか。

スーツが多いなら、ブレイシーズに統一でもいいかもしれない。ジャケパンが多いなら、ベルトでも可かな。

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