「簡単に」とか「すぐに」とか謳っている文章を信じていない。でも、今日の話題については、本当にそうだから、信じてもらっていい。
結論から言えば、「靴紐を交換する」ことで簡単に、きれいに魅せることができる。
なぜか。
大抵の場合というか、みんな靴紐なんてそんなに頻繁に変えないでしょ?(決めつけてごめんなさい)人によっては、ずっと変えずに靴の寿命が来てしまうということもあるかもしれない。そんな靴紐を一日最低10本は通勤中に見ているから。
最悪でも、1年に一度交換するだけで、随分靴の見栄えは変わる。それも、一本350円程度から、オーダーしても1,000円程度だ。
まず、靴紐の素材は、コットンかポリエステルなどの化学繊維。革と違って、エイジング(経年の変化)を楽しむ素材ではない。確実に時間とともに劣化する。次に、靴の手入れのときに紐を取り外せば、そのときのアイレットとの摩擦が生まれる。取り外さないならば、靴のクリームがついてしまうことになる。
だから、1年以上履く靴であれば、交換すべき箇所。しかも、高くない。
紐の素材はちょっとの差だから、コットンを選んで欲しい。
次に、形状としては、平紐と丸紐の2種類。丸紐のほうがスマートに見えるし、一般的。僕は一足だけ平紐。平紐は通しにくい(ねじれてしまうことがある)けれど、靴のフィット感が良くて、しっかり足が守られている感を感じる。人によっては、平紐はカジュアルと分類することもあるみたいだけれど、個人的な印象は靴によって変わるし、平紐のほうが、なんか堅い印象を抱いている。結果、どちらでもいいのではないかと。あと、編み紐という選択肢もあるけれど、カジュアルに寄る。耐久性は増すけれど、カジュアルな印象になる。だから、ウィングチップとか、スウェードとか、デザインや素材をカジュアルダウンしたときに用いるようにする。
幅については、2.2mmを常用する。3.0mm以上だと、カジュアルに触れてくる。通常の表革には使わない。スウェードの靴、チャッカブーツなら、選択肢としてはあり得る。
加工について。通常ロウ引き。紐にワックスを染み込ませることで、耐久性を上げる。これに加え、蜜蝋を付け加えるオプションもある。蜜蝋は高級感があるし、価格も高い。こういった加工がないほうが、紐をハトメに通しやすく、紐もほどけにくいため実用的。でも、上記の平紐だけは、ストレートチップに合わせることにしていて、ちょっと光るように蜜蝋ありを選択している。ロウ引きだけだと、つるつるして滑りやすいけれど、蜜蝋はなんかベタベタしているから、ほどけにくいようにも感じる。
全く加工していないものもあるけれど、コットンが毛羽立ち、表革には合わない。最低でもロウ引きを選択。
色は基本的には靴の色に合わせるだろう。それでいいし、カジュアルに振るなら、色を変えるのもあり得る。僕は、2足(9足中)は紺色の靴紐を選択している。この場合、スーツ、タイ、もしくはチーフで紺を選択するようにしている。あえてさり気なくみたいで、下心的。少しいらやらしいけれど、誰かに指摘されたこともなければ、今後も指摘されないだろうからいいか。
そして、靴紐の先の処理。通常、安価なものはプラスチックでの仕上げ。これでもいいけれど、こだわるなら金属。あまり目立たないものがいいと思う。大抵の場合、黒のニッケル金属としている。
で、見た目の部分で一番大切なのは紐の長さ。短すぎると結べないし、長すぎると、ズボラな印象になってしまう。15cm × ハトメの数という指摘があるけれど、ちゃんと測ったほうがいい。バランスとしては片側17−20cm余らせた状態を作り出せればきれいだなと感じる。このあたりは感覚だけれど。
注意点としては、今しめている長さと同じモノが欲しい場合もちゃんと測り直すこと。大抵の場合、2−3cmほど伸びているから、それを差し引いた長さを注文したい。
もちろん、最低限、幅、色、だいたいの長さを把握すれば、靴屋さんで安価に手に入れることができる。
でも、そんなに高いものでもないから、オーダーしてもいいのでは?1cm単位とかで長さが設定できるから。しかも、色をどうしようとか、加工をどうしようとか、ここで長々書いたようなことを、あれこれ悩める。スーツに関わるアイテムの中で、楽しめることと投じる金額を考えれば、コスパ最強だ。
参考までに、僕のスウェードを。3.3mm幅。編み紐。左が新しくしたもの。
次もスウェード。右の紐が新しい。
ね、変わるでしょ?おすすめ。
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