ブログを始めたのが2018年の6月。Facebookにアップを始めたのは、7月か8月。ちょっと頭の整理もだけれど、何よりも表現をできる限り良くしたいので、ちょっとしばらく修正作業をちょこちょこしようと思います。では♪
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Hardy Amies の『ABC of Men’s Fashion』で「Accessories」と引いてみると、次のような記載がある。
「原則として、ネクタイや靴という類のアクセサリーは、手持ちのベーシックなスーツよりも高価であるからこそ、美しさが表れる」
→ 「スーツ<靴=ネクタイ」ってこと?
ちょっと現実は異なりそうだとひっかかりを覚えたので、僕たちの実際の生活に置き換えつつ、持論を。
価格:「スーツ<靴=ネクタイ」
僕たちの生活に当てはめて考えると、スーツを3万円、靴は5万円位ということになるだろうか。身だしなみに関心が高い人ならば、これは納得がいく。スーツよりも靴にお金を投下したほうが見栄えがすることに疑いはない。安い靴に高いスーツと言う組み合わせは、コスパがよくない。
問題はネクタイ。Amiesは、ネクタイも靴と同じくアクセサリーだと定義している。
名門のマリネッラやタイ・ユア・タイでも、平均として2万円から3万円のタイが多いようだし、ラグジュアリーブランドのエルメスでも3万円程度。5万円以上するようなネクタイも存在するのかもしれない。でも、靴のように10万円以上するようなタイはそう多くはないはず。この意味で、ただ単純に金額として「靴=ネクタイ」と括っているわけじゃないことが読める。
数: 「スーツ<靴=ネクタイ」
スーツは3着だとしておくならば、靴とネクタイは3以上持つことになる。確かに、スーツは最低3着あればローテーションできるし、靴も3以上が実生活の上でも必要最低限の数字。10本以上ネクタイを持つ人はこの数字を満たしていると満足する。でも、「靴=ネクタイ」であることを忘れてはいけない。靴とネクタイは同じくらいの数“でこそ”、美しさにつながる。大抵の人は、ネクタイの数が靴の数の数倍に達している。
さて、冒頭の「スーツ<靴=ネクタイ」は金額の上でも、数の上でも成り立たないと異論を唱えたいわけじゃない。表面的には解釈しづらいこの言葉の意味を正確に掴むために、一度、金額と数とに分けて考えてみた。この解釈の難しさに、僕はひっかかりを覚えたのだった。
でも、「靴=ネクタイ」に込められた想いは、お金と持つ数の関係から、少し真意に近づく。
より高価なものを手に取ること。より少なく所有すること。
この姿勢は、必然的に1つ1つのネクタイを丁寧に扱うことになる。
これまでの話をまとめると、次のようになる。
- 金額:ネクタイはできる限りにおいて、(靴と同様に高価なもの、言い換えると)質の良いものを買い求めること。アクセサリーなのだから。
- 数:(ネクタイが靴に比べて安いからといって、ネクタイを多く持つのではなく)靴とネクタイは同数程度持てばよい。アクセサリーなのだから。
- 愛情: 靴を長く手入れして使うように、(高価なものを買ったのだから)ネクタイにも同様の愛情を注ぐこと。アクセサリーなのだから。
一般的に、女性が数十万、数百万円の貴金属(アクセサリー)を多くは持っていないように、僕たちもネクタイを数十本も持つ必要はない。少なくとも、ネクタイで着こなしを多くあるように見せる考え方は粗野だし、間違っていると断言できる。
女性たちが高価な貴金属をチープなものに変えてしまったとして、品よく美しく見えるだろうか。装飾品はいつだって、質が良いものを少量、場所をわきまえて用いることが肝要。安価なものを、数多く持つことに価値はない。そして、所有したのならば、丁寧に愛情を注ぐこと。これが、Amiesの真意じゃないかなと。
早速クローゼットに向かい、ネクタイを取捨選択して欲しい。僕たちが今できる、ビジネススタイルを少しだけ上品にできる第一歩なのだから。
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