内容についてはあまり言及する気はない。スーツの着こなしや選び方を中心に、いいところ、改善すべき箇所(代案を含めて)について記載していく。

最初ということで、やっぱり数は多くなってしまう。なお、できる限りにおいて専門用語については説明を加える。

【指摘事項】

  1. 甲斐 正午(織田 裕二) シャツのネックのサイズ No Good

Goodなところから始めたかったけれど、仕方ないよね。衣装協力などの関係で、なかなかオーダーとかは難しいのかもしれないけれど、あまりにシャツと首の間に隙間がある。正しくは、隙間がないように選択することが正しい。ただ、現実的には、「キツキツで指が2本入る」でも許せる。この映像については、4本は軽く入りそう。

参照)You should be able to comfortably fit two fingers in between your neck and the collar of the shirts when it’s buttoned.(ボタンを締めたときに首とシャツのえりの間に2本分の指が入ると良い。)『DETAILS Men’s Style Manual』23pより

 

 

2.  甲斐 正午(織田 裕二) ジャケット ポケットの切り方 No Good

「日本では」という枕詞がマストだけれど、スラントポケット(斜めに切ってあるポケット)は良くないかもしれない。地面に対して、平行に切っておくほうがベター。柄の少なさ、TVフォールド(チーフ)の主張具合、バランス、それ意外については、かっこよい!(ここで、スーツについてちょっと期待が持てたし、安心できた。)

 

 

3.  甲斐 正午(織田 裕二) ジャケットの胴回りのサイズ Good

ボタンを締めた状態で、このようにうっすらシワが入るのは適切。ボタンを締めて何もシワがよらないならば、ジャケットは大きすぎることを意味する。

 

4.  甲斐 正午(織田 裕二) サイドベンツ+シャツの見え方 Good

えりとそでからシャツが1.5cm程度除く着こなしが正しい。出ていない場合は、ルールに沿っていないことになる。終始このルールは甲斐については守られていて、安定感抜群。また、サイドベンツ(スーツの後ろが左右2箇所切られている)であるほうが良い。これについては後述。

 

 

 

  1. 蟹江 貢(小手 伸也) シャツの胸ポケット No Good.

オリジナルではルイス。ルイスの着こなしが最高にかっこよかっただけに、彼の着こなしにはうんざりしてしまう。後でもツッコミどころはたくさんあるけれど、まず1つ目はシャツに胸ポケットがあること。カジュアルダウンするならば、ポケットはありだけれど、ビジネススーツという一定のフォーマルさが求められる状況で、ポケット付きのシャツを着ることは、その人のスーツのスタイルに対する無能を一瞬で周囲に晒す。

 

 

 

6. 甲斐 正午(織田 裕二) 靴下 Good、 裾 シングル No Good

終始足元のスネが見えなかったことも、甲斐の安定感で安心。また、リブ編みではなく、無地で基本的にはスーツに合わせていたように見えた。個人的には好感が持てる。靴下の色の選択は、靴に合わせるパターン、もしくは、スーツに合わせるパターンと2つの考え方がある。いずれにせよ、スーツよりは濃い色を選択すべき。常にそれが守られていたのはとても良い!

ただし、裾の処理はシングルで、ここは「好み」と言ってしまえば、それでおしまいなんだけれど、ビジネススーツという日常性も含む着こなしにおいては、ダブル(折返しある)のほうが好ましいと考えている。

 

  1. 1話 相手弁護士さん シャツ No Good

これだけ主張のあるシャツを着ている弁護士を信頼するか?ストライプを身につけるとしても、ピンストライプ程度に抑えたい。ストライプはストライプそれ自体が太ければ太いほど、ストライプの間が広ければ広いほどにカジュアルに寄る。弁護士という仕事から考えれば、どの選択をすればいいかはわかるはず。

 

8.  蟹江 貢(小手 伸也) シャツのそで 既製品のまま No Good.

シャツの袖の先に2つのボタンがある。映像だと、右手。一つは留まっていて、見えない。もう1つは見えている。つまり、2つボタンがあることを意味している。通常、オーダーしたりある程度のシャツメーカーが創るシャツならば、ここのボタンは1つ。理由はシンプルで1つしか必要ないから。だって、手首のサイズは1つなのだから、日によって変えることはない。通常、安価なシャツや既製品は2つボタンがある。使わない1つは、切り取って捨てるべき。

 

 

  1. 1話 相手弁護士さん ジャケットのボタンを留めたまま、シャツの袖がでない No Good

典型的な日本人だなぁと思う。椅子にかけてもジャケットの前ボタンを外さないことはマナー違反。キツキツにシワの寄ったスーツを見なければならない相手の気持ちを考えれば、椅子に座ったときに、すぐに“片手で”ジャケットのフロントボタンは外すことが正しいマナー。また、腕を曲げても(ジャケットの袖が上によっても)、シャツのそでが出てこないのは、明らかにシャツの袖が短いか、しゃんと手首でシャツを留めていないことに起因する。このあたりの正しい着こなしができていない、というのは「あぁ、仕事も雑かもしれない」なんて邪推してしまう。

 

 

10.  甲斐 正午(織田 裕二) 黒革の時計ベルトGood

原作よりも、着こなしに対する安心感がある(周囲が駄目すぎるからかもしれないけれど)。それは時計にも表れていて、適切にフェイスが隠れていること(見せびらかせていないこと)や、革のバンド(靴の黒とリンクしている)など、細かな部分で‘節制’が感じられるから。

原作と同じくジャケットはピークトラペル(上を向いた下襟)なんだけれど、それを差し引いたとしても、十分良い着こなしだと思う。安心したー。

 

 

【雑感】

1話目だから当然たくさん指摘事項(合計50個近く)は出てくるんだけれど、何よりも織田裕二の着こなしには安心感が出てる。原作のハーヴィーよりも着こなしについては洗練されている(節度が守られている)と個人的には感じている。

反対に、小手伸也は1話の後半にかけても「え?その組み合わせ?」っていうようなことが出てくる。原作のルイスがほぼ完璧なイタリアンスーツを着こなしていただけに、体型が似ていても(胸板が厚い?)、う〜ん、ということが多い。ちょっと残念。

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