人生で3回目。流れ作業的ではなく、フィッターの方と1:1で長い時間を使ってもらいつつ、パターンオーダーをするのは初めて。

 

とても、とても控え目なスーツを一着欲しくて。

 

未来で出会う人に失礼のないように。

言い換えると、大切な場面で目立つことなく、組織なりチームなりの一員として、立てるべき人を立らてれるように。

 

っていうのは、きれいごとでもあって。

 

 

もちろん、個人的な理由だってあるよ。3つ。

汎用性という経済的な理由もあるのだけれども、それよりも大切な場面では、無地で勝負したいという長い間の希望と期待を込めて。「無地でもスーツは機能する」と書いたけれど、ちゃんと自分の言葉には責任を持ちたいから。

あと、スーツの本を書き終えたご褒美と、今後の修正をするモチベーションとして。

そして、次のキャリアなりプロジェクトに対する覚悟として。

 

こんな感じで、いくらでも理由は思いつく。でも、そうして考えが広がる中で、とてもプリミティブなことに気がつく。

 

スーツはやはり僕たちの勝負服なんだと。

 

やっぱり仕事のシーンを思い浮かべるし、接する人たちの顔や役職、その頻度が第一に頭に浮かんでくる。自分を前に出すような服というよりも、どうやって隠しつつ、品(僕にあるかどうかは知らないけれど)を高めるような。

数年前だったら、違っていたんだろうな。

バーやパーティーに似合うようにとか、女性に好まれるようなディテール・デザイン、色はなんだろうかとか、そういう下心がまず浮かんだかもしれない。いや、確実にそれが中心だった。

 

おっさんになったなって思うよ。

目立ちたがり屋で、自己顕示欲の塊で、いつだって背伸びして、かっこつけたがる僕が、控え目に、なんて考えるのだから。

 

 

紺の無地。国産の平織り。スリーピース。シングルブレステッドで。ラペルは少し太めに。

書籍の通りに。

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