『キングダム』が頭から離れず、ふと言葉にはしていなかったけれど、感謝を伝えるべき人を思い出した。「創る」ということを教えてくれた人。

たぶん、女性で僕が唯一「かっこいい」という形容を使う人。本人に伝えたことは、おそらくないはず。『キングダム』では男性だけでなく、女性の魅力的な登場人物も多い。このテンションでないと、伝えられないだろう。

Amazon Primeのシーズン2まででは、河了貂(かりょうてん)、羌 瘣(きょうかい)、楊 端和(ヨウタンワ)くらいだけれど。彼女はこの3人を足して割ったような存在かな。頭の回転も早く、なんでもこなせる。強さも。きっと。彼女の弱さを見たことはない。

 

僕は中学2年の3学期に転校をしているが、それまでを過ごした場所が山口県の小野田という町。そこの中学校で出会った一つ上の彼女は、当時から「かっこいい」女性だった。性別という差を感じない交友関係がそれを物語る。なぜだかよく覚えていないけれど、可愛がってもらった記憶だけが残っている。当時、思春期の男の子だったけれど、不思議と彼女に女性を感じることもなかった。それは、彼女の接し方がそうだったからに違いない。おそらく、彼女にとって、僕はぬいぐるみか、かわいい生き物の類だったのだろう。だって、身長は常に学年で一番小さかったのだから。

 

その2年後、思わぬ形で再会する。

高校生になった僕が先輩の家に行くためかなにかで、小野田に戻ったときだったと思うけれど、彼女に偶然再会したのだ。ダボダボの格好に、髪を編んでいたかな。ひと目で、HipHop好きなひとっていうね。客観的に見ればたぶん「怖い」というのが先に来るけれど、知った顔だと不思議なもので、「めちゃかっこいいやん。すげえ。」っていうのが久々の再会の印象。Ralphの香水は、いつだって、この人のためのもの。今考えると、少し強すぎたでしょうか。(笑)

 

それから、僕が受けた影響は計り知れない。

初めての洋楽は、Coolio の 「C U When U Get There」。

初めての1万を超える洋服は、Ralph Laurenのジーンズ。

KicksはNike のAir force 1. まだ流行する前でしたね。無理したのは、貴女がこれしかないと勧めたからです。

大学に入って、たぶん会う機会も少なくなるなと思ってこっそり買ったのは、Ralphの香水。Timberlandのブーツは買えなかったけれど、憧れているし、今だって機会があれば手に取りたい。HipHopの生まれや成り立ち。口頭で教えてもらったことも数え切れない。なんでも知っていて、格好も様になっていて、実績もあり。学校に通う女子高生だなんて、感じたことは一度もありませんでした。

そして、一番の財産は、「ダンス」を通じて「創る」という尊さを教えてもらったこと。今でこそ普通になったんだろうけれど、当時、しかも田舎でダンスなんてしている人なんていなかった。YouTubeのなかった時代。VHSが伸びるほどに映像を見たり。ちらっと映る海外の映像を真似したり。「かっこつけたい」「モテたい」という下心がなかったと言えば嘘になるけれど、でも、どうにか3年間高校に行って、ちゃんと大学に行けたっていうのも、ダンスとの出会いが大きかった。

「創る」べき何かがある。そのために、インプットと反復が必要。そのための時間が必要。ダンス、広い意味でHipHopに出会っていないなら、英語なんてやらなかった。英語はその文化に触れる道具だったから。その後、たどたどしいながら英語を使って仕事をするなんて、想像もしなかったけれど。

 

Coolio。聴きますよ。今でも。

Ralph、今でも持っているし、カジュアル色が強い格好のときは、この香水使いますよ。

靴。Nikeは履かないけれど、いつだってキレイじゃないと。それは紳士の嗜みだからというよりも、いつだってかっこいいKicksを履いていた貴女の影響のほうが強いでしょう、僕にとっては。

 

数十年ぶりに「創れるかな」。そんなことも考えながら、書いたんですよ。本。やっぱり「創る」って面白いですね。貴女に教わったことです。

大切な人との出会いが連なり今の僕がありますが、貴女だけが「創る」ということを教えてくれた人。影響は、色濃く、20年を過ぎてもなおこうして残っています。未だ、貴女の教え子でいられていればいいなと、ふと想います。

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