エッセイ– category –
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【書評】『着せる女』 内澤 旬子著
「抱腹絶倒。パンチラインの連続。まるで、名作映画のよう。」 内容は、エッセイストの著者が周囲の「スーツ難民」に対して、販売員の力を借りつつ、スーツを選び出していくというもの。もっとも、タイトルが示すように、スーツの選び方やルールを... -
【エッセイ】中身➖国際協力事業界隈の人へ➖
企画がすべて通過するわけじゃないし、98%以上は応募書類がそのままキレイに戻ってくる。そんな現実をおおっぴらにするのも悪くないかなとも感じる(過去の本をご覧いただいた人は、内容としてはオーバーラップするけれど)。友人のエッセイを少し見て、... -
【エッセイ】服と自制
匿名性の高い都市だと、人に覚えられるということは少ないだろうけれど、地方ではままあるようだ。 スーツホリックな友人がいるのだが、控えめに言っても彼の装いはパーフェクトを超えている。基本に忠実、その上で彼なりの趣向やスタイルがあるから。サイ... -
【エッセイ】Dilemma
あまり道徳的な人間でもないし、宗教観も定まっていない。Something greatも信じていない。かとって、自分の能力やパフォーマンスについては常に懐疑的だし、周囲の人だって合理的で理性的な人たちばかりだとも思っていない。そんな世間に対して斜に構えて... -
【エッセイ】初めてのプレゼント
「あ、このペン書きやすい」そんな親友の言葉がきっかけだった。12月上旬の1週間地元の山口に戻っていて、いつものように小学生のころからの親友の家に泊まったときのこと。 たまたま書類仕事もあったからペンケースも持って帰っていて、プロダクト... -
【エッセイ】意識の器、奥行きは無限大
『Trainspotting』。2019年現在で35歳〜40歳だったら、リアルタイムで影響を受けた映画かもしれない。アル中でもヤク中でもないけれど、僕もその一人だ。挿入Underworldの『Born Slippy』かもしれないし、これが出世作となったユアン・マクレガーの演技か... -
【エッセイ】あとがきのあとがき
スティーブン・スピルバーグ監督の『プライベート・ライアン』。 冒頭数十分に及ぶおぞましい映像から気づくことがある。それは、「凄惨な映像を見せるのは良くないことだ」というような風紀委員っぽいことではない。おおよそ多くの人は、おどろおどろしい... -
【エッセイ】万年筆の沼
考えるために、書くのか。 書くために、考えるのか。 なんだかポエティックな書き出しになってしまったけれど、最近感じる変化について。 多くのビジネス書が言うように、考えを進めるために、紙に書き出すという行為は確かに効果がある。何色ボー... -
【エッセイ】爪とイヤフォンの分配器
Apple の新製品発表が世間的にそんなに物珍しくなくなったとしても、毎回新製品をレビューして、それらを導入してみたらどう生活が変わるのだろうかと想像するルーティーンは、もう15年以上続いている。 今回のiPhone 11 と 11 Pro にもカメラ以外にも気に... -
【エッセイ】徳島大学の情報誌
徳島大学の情報誌『企業と大学』2019.9月号(第11号)で本を紹介されていたようです。 昨日、出版社の担当の方から教えていただいて知りました。いやはや、ありがたい話です。紹介くださったのは、徳島大学学術情報図書情報課利用支援係の山本豪さんという... -
【エッセイ】戦争映画とチーフと
1週間に1回映画を見るとするなら、年間に52本。 図々しくも80歳近くまで生きるとして、残りの人生で2,000本ほどの映画しか見られないことになる。2,000か。 『シンドラーのリスト』を久々に見返す中で、とても美しいワンシーンに気がつく。1,100人... -
【エッセイ】自分だけが知っていること
持ち物が人を表すのであれば、僕はあまりに派手好きになる。事実かもしれない。いや、事実だろう。そうは思いたくはないけれど。 スーツの似合う体にしたいとか、健康的な毎日にしたいとか、ちょっとした趣味の時間を創りたいとか、そういう金はか... -
【エッセイ】価値のつくり方
月末の週末は、靴と革製品のお手入れ。靴に4時間くらい。鞄とかの革製品に1.5時間。オイルの浸透を待つ間に、靴下のすり減り具合、シャツのボタンのほつれ修理、下着のチェック、ネクタイの劣化具合の確認、ジャケットやスーツを改めてブラッシングなんか... -
【エッセイ】クールビズについて
梅雨が明けて本格的な夏。8月は休みばかりにしたので、あまり外に出ることもないのだけれど、FacebookやTwitterでクールビズに対しての意見が来ることがあって、やっぱりそうだよねと同意する部分もある。一方で、伝えたい自分の考えもあるので、まとめて... -
【エッセイ】バイバイネクタイ
「俺は根っからネットサーファー♪」で始まる2017年発売のSUSHIBOYS『ブルー・ハワイ』を聴くと夏な気分。「BBQと市民プールと一日中」で韻を踏んで、かっこいい人たちってきっと他にいない。 夏に働くか?いや、海だろ?水着何年見てない?スイカに... -
【エッセイ】もらったネクタイを締めるとき
ネクタイは一種の「首輪」であるという記述を見たのは春頃に読んだビジネス書だったか。欧米では、そのような意味もあって上司が部下にネクタイをプレゼントするのだとか。あ、恋人同士では「貴方に首ったけ」なんて使い古された話もあるっけ。 上... -
【エッセイ】知識武装は不要
新宿で立ち寄ったカフェの横の席に男子が3名。2名の新卒と思われる学生が、熱心に、先輩と思われる半パン、ヒゲの男子に何やら質問をして、ノートを取っている。「スーツの色は何が良いんですか」「暗めがいいよ」というようなやり取り。気にならない訳が... -
【エッセイ】カジュアルな装いにおける文具という武器
先週一週間、モンゴルの方の受け入れ(アテンド)の業務をしていた。 政府関係者を含む、大手企業の役員、部長クラスと言っても、この日本の梅雨でスーツを着るような人もいないし、まして、ネクタイやジャケットを着用する人たちもそういない。女性は初日... -
【エッセイ】部下として、スーツへの素直な気持ち
5年位前だろうか。漫画の話になって、「キングダム」は面白いから見たほうがいいと勧められた。ふと、Amazon Primeでシーズン2まであることを知ったので、コツコツ1日1エピソードくらいで観ていこうと決めたが、1週間後には80話を全部観終わっていた。 誰... -
【エッセイ】僕とスーツとフィリピン3/3
『嫌われる勇気』(アドラー 2013)が日本で有名になる前、Tacandongはアドラーを好んで読み、自分で言葉を集めていた。そして、本にして取りまとめ、僕にもくれた。序文は、このアドラーの引用から始まる。 It is your attitude, not your aptitud... -
【エッセイ】僕とスーツとフィリピン2/3
フィリピンでの数ヶ月は、業務としてはエキサイティングだった。一方で常にTacandongの言葉が頭に引っかり、スーツについて悩む時間が続いた。何がダメなんだろう。 品質について言えば、おそらく僕が身につけていたものはフィリピンで販売されてい... -
【エッセイ】僕とスーツとフィリピン1/3
スーツに興味をもった昔話を。 「君が若かろうが、経験が少なかろうが、プロらしく振る舞いなさい。まずは、正しくスーツを装いなさい。」(初めて「attire:v装う」という言葉を知った。) ちょうど10年ほど前、僕はフィリピンにいた。会計... -
【エッセイ】身の丈論2 旧友へ
ちょっとスーツに投じるお金について書いてみた。前回の身の丈論につなげる形で。悪い癖で、エモいけどね。 前回の身の丈論をまとめると次の一文になる。 腐心し、我慢し、学習し、そして、相手を敬おうとする配慮と準備のプロセスが次の仕事に結... -
【エッセイ】身の丈とかっこよさと
ZORNの最新アルバム「LOVE」に収録されている「My Love」という妻に向けたと思われるラップで次のようなバース(一節)がある。 「子どもに良いもの着させて、自分はホツれた服着てる。(中略)飾らずいつも自然体。それはスタイリストにも着せられ...